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ここまでのまとめ
さてここまできた方は、2.1chシステムを理解し、音を出した人だと思います。
余計な機材を使用せず、最小限の機材で、コストパフォーマンスよくいじってきたつもりです。
実際、ここまでは10万円程度の出資で、驚くほどの効果を体感出来たと思いますが、ここから先はちょっとやそっとやったくらいでは、驚くほどの体感はありません。
だから、「ちょっと興味があった人」はここまでにして、もうやめるべきだと思います。
この先は、トライアンドエラーの繰り返しで、お金も時間もかかります。
本当に、オーディオが好きな人しかこの先にはいけないと思います。


トライアンドエラーができる、マニアックな人だけがこの先へ進んで欲しいです。
自分でやらない人は、自分のやりたいことを得意とし、信頼できるショップを見つけて依頼してください。
フロント3WAYのフルデジ2.1chでもいいし、フルアナログでもいいし、機材じゃなくて、音で選らんでください。

一応この先のヒントというか一例を出しておきます。わからなかったら自分で調べてください。




マルチアンプ駆動
本来マルチアンプというと、TWにはTW用のアンプ、MIDにはMID用のアンプ、SWにはSW用のアンプを用意します。しかし、スペース的にもそこそろきつくなってきているし、配線なども煩雑になってきてしまっているでしょう。
ですから、いまのシステムの、フロントのみをマルチアンプ駆動しましょう。今は、パッシブネットワークを使用して分岐した配線で、TWとMIDを鳴らしています。
これを、アンプに入る前に帯域分離して、アンプからネットワークをとおさず、直接スピーカーに接続します。
簡単に言うと、
プレイヤー → アンプ → ネットワーク → スピーカー
から
プレイヤー → プロセッサ → アンプ → スピーカー
に変えましょう。
このプロセッサもピンキリですが、今回は簡単な3WAYクロスで構成します。もちろん自力で設定できる人や、ショップで設定してもらう人は、カロのプロセッサや、アルパインのプロセッサなども調べてみてください。


マルチアンプの方法ですが、

HUに3WAYクロスオーバー(high-mid-low)がある場合
4chアンプをTW−MIDに使い、新たにSW用アンプを追加。SW用アンプは、モノラルアンプがお勧めです。
国産だと、アルパインのMRVなんとかで、定格150W×1(4Ω)/300W×1(2Ω)みたいなアンプが安いのでとてもよいと思います。
今使用しているサブウーファーP1あたりだと1発4Ωなら十分に鳴らせるし、2発に増やしても大丈夫です。


HUに3WAYクロスオーバーがない場合
アクティブクロスオーバーを追加します。この手の商品はAUDIOCONTROL社がほとんど独占しています。ROCKFORD、KICKERあたりも作っています。
RCA2ch入力で、6ch(HIGH-MID-LOW)の出力があるものを選びます。AUDIOCONTROLだと4XSあたりがそれです。
HUがフロントリア出力があるなら、フロントリア入力から、HIGH-MID-LOWを出力できるクロスオーバーを使うと、HUのフェーダーが利用できて便利ですね。いつも全開サブウーファー鳴らすわけじゃないし。

また、変なもん買うとはんぱないノイズ源となります。買うならAUDIOCONTROL一択。安物買いは完璧な銭失いとなりますので、古くて安いクロスオーバーとか中華とかはやめましょう。
あとは、HUにクロスあるひとと同じです。
違いは、HUの能力の違いと、クロスオーバーの能力の違いです。HUの能力としては負けているでしょうが、4XSのクロスオーバーの能力は非常に高いものがあります。このあとアンプレスHUに変更すれば良いわけです。


このフロントマルチによって、吊るしのショボイパッシブを投げ捨て、HIGH-MID-LOWの3WAYクロスオーバーでの出力調整が可能になります。また、アンプの入力感度もそれぞれ設定できるようになるので、その車にあわせたこまやかな設定が出来るようになります。

ただし、パッシブがだめといっているわけではありません。パッシブもその車、そのスピーカーに合わせて、その道の玄人が作り上げた場合、信じられないほどの音質の変化をもたらします。
初心者ではその高級パッシブを買うことも作ることもできないですから、気軽に3WAYを組むためにこのようなシステムにグレードアップしていくと良いでしょう。そのうちアナログシステムの魅力に取り付かれてしまったら、HUもアナログ機にして、パッシブを作っていくのもいいとおもいますよ。デジタルだから〜アナログだから〜と頭でっかちに考えずに、自分の好きな音が出ればどんなシステムでもいいじゃないですか。



また、のちのちサブウーファーをガンッガンにならしたい人は、モノアンプかハイカレントアンプで定価8〜10万円レベルのものを買っておくとよいです。
オクで極希にオーバーホール済みの10万円クラスのアンプが2〜3万で落札されているので、お気に入りを見つけて待っててもいいかもしれませんね。
よいアンプを買うと、12インチ2発入れても、10インチ4発いれても、18インチでもガンガンに鳴らせるのでとてもよいです。しょぼいアンプを買うと、ダンッダンッのはずが力なくボンボンになってしまいます。




ミッドレンジ強化
フロントマルチによって、TW、MID、SWがそれぞれ生き生きとしてきたことでしょう。しかしながら、サブウーファーの音量が上がったせいか、音が後ろから聞こえるような感じになってしまったのではないでしょうか。
とりあえずSWのゲインを下げるなどして、SWの音だけを絞っていくとどうでしょうか。後ろから聞こえるもやもやが改善され、綺麗にフロントにステージが広がったのではないでしょうか。
ですがそのまま音量を上げていくとどうでしょうか。音が歪みだし、適当な音になってしまいます。


せっかくSWアンプも入れ、フロントマルチにしたのに、大音量できもちよく聞くことができません。これは、TW−MID−SWの音量のバランスにあると言えます。

指向性の弱い低域を、フロントで鳴っているよう聞こえる設定にするためには、TW、MIDをしっかり鳴らさなければなりません。
TWは取付けが比較的簡単ですが、MIDはなかなか調整が難しいです。
それでもTW、MIDをしっかり鳴らすことで、SWの音を前へ引っ張ってきて、気持ちよくステージを広げることができます。
SWの音量をしぼると改善されたのは、トータル音量の中でMIDの締める音量が大きくなったためです。

理由は簡単です。帯域分離において、ドラムの「ドン」の 「ド」はMIDでならし、「ン」はSWで鳴らします。ドが弱いから、うしろからンだけが聞こえてしまう。これだけのことです。


このMIDの強化ですが、取付け、アンプの強化が上げられます。
取付けですが、取付け強度、角度、デッドニングの3点をしっかりやること。


取付けは今の状態だと、ドアの樹脂部分に、MDFのバッフルをビスドメし、スピーカーをビス止めしていますね。市販のバッフルではこれしかやりようがありません。
これを、バッフルを作ることでより強度のある取付けを行います。このときバッフルのスピーカー取付け面に角度をつけたものをスラントバッフルと言います。これもググってみてください。


取付けですが、その作成したバッフルを内装の樹脂部分ではなく、ドアの鉄板部分に取付けます。鉄板部分にはドリルで穴をあけ、向こう側とこちら側をボルトとナットで締め上げます。ものすごく強度が増します。
スピーカーの取付けもビスではなく、ボルトナットを使います。向こう側につけるのは爪付ナット、埋め込むなら鬼目ナットというものがあります。大型のホームセンターでどうぞ。売ってないときもあるので取り寄せしてください。バッフルはくさる可能性があるので防水しておくとよいです。


デッドニングですが、エーモンあたりの簡易デッドニングをしたと思われます。これをレベルアップします。
デッドニングの考え方は、振動を起こさせない防振、振動が起きてしまっても殺す制振、音がつき向けないようにする遮音。これがデッドニングの考え方です。
また、フロントドアのデッドニングとなると、MIDの背面からドア内をエンクロージャーとして考えるとよいです。ドア内は20〜40Lもの容積がありますが、これがスッカスカだとどうでしょう。サブウーファーを考えてみてください。フリーエアーのしまりのないぼーんぼーんになってしまいます。これをデッドニングによってダンッダンッに変えます。

詳しくはググってください。


アンプの強化は、ドライブ能力が高く、十分なパワーをもったアンプを使うこと。
金銭的スペース的に余裕があったら、TWが綺麗に聞こえる2chアンプをTW用に、MIDを慣らしきれるパワーのあるアンプをMID用になどと、きちんとマルチアンプ化してあげると良いです。
TWアンプは高域が綺麗なカロのPRSで、MIDアンプはパワーがあるアルパインのV12なんていう組み合わせもアリでしょう。

またインストール関連ですが、電源の強化などもかなり効きます。ドライバッテリー等の性能のよいバッテリーをつかい、アンプの電源+直前にキャパシターを入れます。電源ケーブルの12Gなどではなく、4Gでひきこみ、ヒューズブロックをつかって8Gに分岐するなど。もちろんアースも強化してください。

また、マルチアンプになってくるとHUのリモートもパンクする可能性がでてくるので、HUのリモートからリレーをかまして各アンプにバッ直(バッテリーから直接の意味)するのもよいです。


トランクにアンプがあるなどの場合、サブバッテリー+アイソレーターなども効果があります。
そうなるとスピーカーケーブルも良いものに変えていく必要がでてきますね。

TWの位置も、AピラーではなくMIDの近く、キックボードあたりに移設しましょうか。向きも調整してゲイン調整などもやりなおし。

そしてその強化したMIDにあわせてSWも強化、TWも強化、またMIDを強化と、行き着く先のない泥沼です。





オーディオ環境の向上 静穏化 静粛化
オーディオやるならセルシオ買えなんて言う人もいるくらい、オーディオを聞く環境は重要です。
とはいえまずは車とは移動手段であるからして、身の丈に合わない高級中古車とかアレですし、狭い駐車場しかなければ軽自動車が良いと思います。

車なんかなんにもいじらずのるのが一番いいとは思いますが、コンパクトカー、軽自動車などは、ちょっとだけいじってあげると、ぐっと音が良くなりますので、すこし紹介します。

オーディオを聞くときに、停車中にオーディオを聞くとよい音なのに、走り出すとだめだっていう方多いはずです。それはロードノイズのがあるからです。
このロードノイズが聞こえないようにすれば、停車中のような音質が期待できるわけです。

現在の車は、燃費というものが販売台数において重要なファクターであり、その為「軽量化」が行われています。高級車においては静粛性などをうたい、燃費などを気にしないブルジョワさんが乗るわけですが、ミドルクラス以下のコンパクトや軽は、静粛性なんて二の次です。
この軽量化、オーディオにとってはいいことはなさそうです。


例えば、障子の向こうとこっちでは会話ができますが、木の壁ならどうでしょう。かなり大きな声をださなければなりませんよね。コンクリートの壁だったらどうでしょう。

静かである = 高音質 という観点から見れば、ペラッペラに軽量化された鉄板や、樹脂で作られもはや金属ですらない部分があります。
ここを補強することで、軽自動車やコンパクトカーは、ぐっと音が良くなるわけです。


静穏化の基本は遮音です。音を通さないこと。遮音性の高い素材を使い空間を隔てます。
よく使われるのはダイナマットや鉛テープ。ホームセンターの建材コーナーにも遮音シートがあります。比重の重い素材です。

次に制振。振動を消すこと。金属などをつたって侵入してくる振動音を抑えます。
よく使われるのはレアルシルトやレジェトレックス。ヤフオクで安く売っています。振動を受けると熱エネルギーに変えて振動を殺します。

最後に吸音。音を吸う事。コンクリートの廊下などでいつまでも消えない音を吸う事で消します。
よく使われるのはニードルフェルトやシンサレート。ニードルフェルトはホームセンターにあります。シンサレートは衣類などに使われるので手芸屋さんでしょうか。


これらを複合的につかうことで車内の静穏化を計ります。

例えば、目覚し時計をジリジリ鳴らし、ダンボール箱に入れ遮音します。これで大分音が漏れてこなくなりましたね。隙間が開いていると効果が薄れるので密閉することが重要です。
次に、ジリジリなっている金属部分にガムテープを貼り付けます。さらに音が小さくなるはずです。貼るガムテープを増やすとさらに効果が現れます。
最後に、その箱の中に布を突っ込んでみてください。さらに結果が現れたはずです。一杯つめればつめるほどに効果が現れます。

こういうことを考え、車と外を、完全に分離できればよいわけです。

しかしながら、100%遮音は不可能です。なぜなら、通気のためなどの空気の抜け道がかならずあるからです。
これを無視して通気できないようにするとドアがしまらなくなったり、室内にカビが生えたりします。
ですから、ほどほどにやりましょう。

効果的なのは、バルクヘッド(ダッシュボード内と、エンジンルームの間の壁)や、フロア、スペアタイヤポケットなどです。

シートもダッシュボードも全部はずす。
鉄板に制振材を貼り付ける。遮音材で隙間がないように目張りする。その上に吸音材を貼り付ける。
最後にカーペットを戻しこれでOKです。

効果が現れないときは、制振材の密着度が甘いもしくは量が足りない。遮音材に隙間があるまたは薄い。のどちらかです。


空気穴は、暑い日にエンジン掛けずにエアコン全開で窓全部締めましょう。車のいろいろな部分にさわり冷たい空気が出てくる部分を探しましょう。
いろいろためしながらやってみましょう。

ただし、これをやりつづけても、こっちの音が消えると、こっちが聞こえのサイクルに陥ります。
ほどほどにしておきましょう。







聞く音楽のジャンルに特化する
オールマイティとは聞こえがいいもので、なんでもそれなりにこなしてくれますが、ですがそれのみに特化したものには、そのジャンルでは勝てないものです。

「自分の大好きなこのCDのためにこのシステムを組んだ。」
それでいいじゃないですか。

仮にそれがゆったりとしたR&Bであった場合、控えめにだけど存在感のある大口径のSW、つややかでパワフルなMID、透き通るようなTW、そんなシステムを想像し、ROCKだったら、BREAK、electro、DANCE、POP、それらに特化したシステム、メーカーを妄想するのもオーディオの醍醐味ではないでしょうか。

聞きたいCDを、聞きたい音で聞くために、システムを特化させるのも良いと思います。



世間一般では、HIFIがもてはやされ、S/Nが高い=高音質であるといわれています。ですが、本当にそれが自分の聞きたい音でしょうか。
クラブにいって、ライブにいって、HIFIなんて感じますか?定位なんて聞いてますか?
なんか音楽を数字にしたい、売りたいというメーカーの強い思いが、デジタルへ、HIFIへと走らせているような気がしてなりません。
もちろんS/Nの高い音が好きで、それを特化したいという考えならばそれもアリですが、ならまずセルシオ買えやと思うんです。ロードノイズまみれの車内で、S/N求めて何か意味があるのかなと。
小音量で、S/N高めの、HIFIやるなら、ホームでやるのがいいとおもうんですがね。

カーオーディオの良いところって、ウサギ小屋の日本家屋で、近所に迷惑を掛けずにちょっと音大きめでオーディオを鳴らすことが出来るところだと思うんです。

是非カロッツェリアXのデモカーを聞いてみてください。意味がわかると思います。すごいけどね。



好きなジャンルを、好きな音で聞きましょう。






オーディオからはなれてみる。
もうなにもやれることがなくなってくると、いくら投資したか考えるのが恐ろしくなってきます。

すこしオーディオから離れ、音楽を楽しむという方向に持っていってはどうでしょうか。

高額なHUを買うのではなく、ジャズライブに行ってみる。
SWを買うのではなく、クラブにいってみる。
ひとりでいい悪い考えていないで、イベントに参加してみる。


オーディオいじりからはなれても、音楽を楽しむ方法はたくさんあります。
引きこもってオーディオばっかりつくっていたら病気になってしまいますから、外に行きましょう。楽しみましょう。

例えば、聞きたい遠方のデモカーをみつけ、USJ旅行にいって帰りに視聴してくる。そんなのもいいですよね。
例えば、いい季節になったらつるんでドライブいって、山でバーベキューして帰ってきてもいいじゃない。
その間に、いろいろ意見交換したり音出しあったりして。

たった数ヶ月で何十万もつっこんできたペースを、ペースダウンするといいとおもいます。

灯台下暗しといいますか、そこにいるときには気付かない問題も、ちょっと離れると理解できたりしますよ。



たのしく音楽聞きましょう。







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